コモテックは会社設立以来、研究開発を最重要テーマに置き現在まで企業活動を行ってまいりました。研究開発を終了したテーマ及び現在進行中のテーマについてその概要をご紹介します。
以下の天然ガス、LPG、DME自動車の研究は一定の成果を挙げ、現在は終了しています。それ以外は、新たな用途が発生次第再開する予定です。
2トントラック用ディーゼルエンジンのピストンの燃焼室形状を変更し、ヘッドの噴射ノズルを取り外し点火プラグが取付けられるように追加工。燃料系統を天然ガス仕様に変更したCNGエンジンを開発しました。
工業技術院機械技術研究所(現独立行政法人産業技術総合研究所)で各種の性能テストを行い、排ガス試験を無事クリアしました。その後は中型バス用エンジンでの開発を行い、これで得た技術はLPGディーゼルエンジへの開発に活かされました。
岩谷産業株式会社、工業技術院機械技術研究所(現独立行政法人産業技術総合研究所)などと共同研究を行い、軽油の代わりに液体燃料のLPGを使用し、ピストン、ヘッドなどのエンジンの大幅な変更なしに排ガス中のNOx・PMを減らす技術を開発し、良好な排ガス性能を収めました。
2トントラックに搭載して走行テストを繰り返し、実用化できるレベルまでテストを行いました。ここで得た貴重な技術は、そのまま次のDME自動車の開発に活かされました。
石油公団の「石油・天然ガス開発利用促進型特別研究」の補助金を活用し、工業技術院機械技術研究所(現独立行政法人産業技術総合研究所)、岩谷産業株式会社、三菱ふそうトラック・バス株式会社と共同研究を行い、ジメチルエーテル(DME)を燃料とする小型トラックおよび車椅子用リフト付福祉マイクロバスを開発しました。
この車両は大臣認定によるナンバを取得し、公道およびテストコースによる走行テストを行い、次の開発に活かされました。
経済産業省の「2005年度中小企業・ベンチャー挑戦支援事業のうち実用化研究開発事業補助金」を活用し、尿素水噴射装置とSCR(選択還元触媒)でNOxを大幅に低減する尿素SCR装置を開発しました。
2トントラックに搭載して実証試験を行い、NOxを最大95%低減できることがわかりました。現在NOx低減装置の尿素水噴射装置として汎用エンジンメーカ、建設機械メーカ、触媒メーカなどでの研究開発用ツールとして多数ご利用いただいております。
独立行政法人中小企業基盤整備機構の「2005年度中小企業・ベンチャー挑戦支援事業のうち事業化支援事業に係る事業化助成金」を活用し、逆洗式DPFの開発を行い特許を取得しました(特許第4874789号)。
耐熱性のプリーツフィルタを使用し、溜まったススは逆洗エアでホッパに落とす構造で、排気臭を減らしフィルタのススを落としやすくする構造となっています。排気管に接続する必要がないため、排圧の影響を受けず連続運転が可能です。
早期の実用化を目指し、現在以下の2テーマについて研究開発中です。
独創的なグロープラグ着火による2段燃焼方式の考案により、どのような運転条件(低負荷~高負荷)でも確実に着火し、種火が消えずに安定して燃焼して白煙が発生しない、構造がシンプルで低コストの「強制再生式DPF」を開発中です。
触媒を使用しないため、重油やイオウ燃料を使用する船舶用エンジン、大型発電機、発展途上国の自動車や建設機械など幅広い用途が期待できます。
本研究開発は「平成24年度埼玉県次世代産業参入支援補助金」に採択されました。
(特許出願中:「排気系の昇温装置、及び排気系の拡張昇温装置、並びにそれらを用いた内燃機関のフィルタ再生装置、及び内燃機関の排気浄化装置」特願2011-110875)
2012年から始まる汎用ディーゼルエンジンの第4次排ガス規制では、19kW以下の小型建設機械は規制の対象となっておらず、メーカから出荷されるエンジンにはDPFは装着されません。
コモテックは、今後小型の建設機械にもDPF装着は必ず必要になると考えており、「平成23年度戸田市新技術研究開発支援補助金」を活用し、独自の構造による100V電源でも再生できる「19kW以下の小型建設機械用のDPF」を開発中です。
(特許出願中:「フィルタ再生装置」特願2012-42565)